球界初の“左右両投げ投手”元南海・近田豊年さん 25店舗も展開「駅前ゴルフスクール」関西校長に
近田豊年(元南海ホークス投手/60歳)
WBCは残念な結果で幕を閉じた。これからはまた大谷の二刀流に注目が集まるだろうが、その大谷もなし得なかったことをやってのけたプロ野球選手がかつていた。南海-阪神で4シーズンプレーした近田豊年投手。史上初のスイッチピッチャーとして話題を呼んだものだが……。
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バチ~ン! ドシュッ! ──室内に響くナイスショットの音。すかさず近田さんの合いの手が入る。「イイ感じイイ感じ」「100点満点中120て~ん」「今日イチでーす」。
大阪、兵庫、京都、奈良で25店舗を展開する「駅前ゴルフスクール」。近田さんは関西校長の肩書でレッスンプロを務めているのだ。1991年の現役引退後、プロゴルファーを目指しながらゴルフ場のスクールで活動。11年前に「インドアをやりませんか」と誘われ、自ら考案した“虎の巻”を引っさげて飛び込んだという。
「近田式メソッドです。ボクはフォームなどのワンポイント指導はやらない。引退後に福岡の大学教授と知り合って運動生理学を学び、ボクの経験を加えた。30年ほど改良を重ね完成させました」
その中身はこうだ。①ゴルフビクス30回②3本素振り30回③ドライバー全力素振り30回④ドライバー15球⑤バランスディスク10分間⑥1本足打法20球⑦アプローチ練習⑧自由練習。1コマ50分のレッスンでこれだけのメニューをこなす。
特に不安定なディスクに両足を乗せ、近田さんが矢継ぎ早に足元へボールを置く⑤は肉体的に相当きつい。約150球を打ち込んだ30歳の女性は「しんどいけど、半年前から通って132のベストスコアが出た。40打以上も縮めたんですよ」と汗だくで笑った。
「背骨の筋肉が強化され、腰を曲げていた80代の女性が普通に歩けるようにもなったんです。ダイエット代わりに取り組む人も多く、半年で20キロ減量した会員さんもいますよ」。
25店舗を掛け持ちで回りながら展開する近田式メソッドは評判が評判を呼び、現在の会員数は約4000人と飛躍的に伸びたとか。
「ウチで作っている『スベッティ』というティーも人気なんですよ。球と接する部分がテフロン加工で摩擦が少なく、飛距離が出てルール適合だからプロも使っています」
ゴルフは年齢も性別も関係なく一緒にプレーできるスポーツ。友達の輪が広がり、会員さんどうしでコンペも開催していますよ。楽しくレッスンして会員さんの笑顔が増える。ボクの気持ちも晴れるし、この仕事の最大のやりがいはそこですね」
そう言い切ったあと「でもね、何だかんだ言って野球は今でも好きなんですよ」とポツリ。近田さんにとっては野球イコール左右両投げ。どれほど好きなのか。


















