著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

抗けいれん剤が認知症の特効薬に? アミロイドβの生成を阻害

公開日: 更新日:

 アルツハイマー型認知症では、脳にアミロイドβ42というタンパク質が蓄積することが、その原因であると考えられています。アミロイドは正常でも体に存在する物質ですが、アミロイドβ42は毒性が強く、塊を作りやすい性質を持っているのです。

 しかし、このアミロイドβ42が実際にどこで生成され、どのようなメカニズムで蓄積するのかについては、これまであまり明確なことが分かっていませんでした。

 ところが近年、シナプス小胞という神経伝達物質を貯蔵して放出する脳の小器官の中で、最初にアミロイドβ42が産生されることが明らかになりました。今年の「サイエンス・トランスレーショナルメディシン」という一流の医学誌に、そのメカニズムを詳細に検証した論文が掲載されました。

 アルツハイマー病のモデル動物のネズミや、人間の神経細胞を使用して研究を重ねたところ、シナプス小胞の中でアミロイドβ42が生成され、放出されて周囲に蓄積することが確認されました。さらに、レベチラセタムという実際に使用されている抗けいれん剤を使用することで、アミロイドタンパクのもとになる物質がシナプス小胞内に入ることを防ぎ、アルツハイマー病を予防する効果のあることも確認されたのです。

 これはまだ研究段階なので、すぐにこの治療が実現するわけではありませんが、近い将来、飲み薬で認知症が予防可能になるかもしれません。

【連載】医者も知らない医学の新常識

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンは2028年ロス五輪“出場”すら危うい現実 27年プレミア12が目先の焦点に

  2. 2

    サヘル・ローズさん「憲法9条がある日本は世界に平和を訴える独自の役割がある」

  3. 3

    横浜銀蝿Johnnyさん「キャロル『ファンキー・モンキー・ベイビー』のイントロと革ジャンを着て歌う姿にシビれた!」

  4. 4

    松重豊「孤独のグルメ」続投の裏にある《諸事情》とは…63歳ゴローさんがやめられない理由

  5. 5

    高市外交を「日本の恥」だと批判続出! 夕食会で踊り狂う写真をホワイトハウスが“さらし上げ”

  1. 6

    WBC惨敗は必然だった!井端監督の傲慢姿勢が招いたブルペン崩壊【総集編】

  2. 7

    “性的暴行”ジャンポケ斉藤慎二被告の「悪質性」法廷で明らかに…邪悪が跋扈する歪んだテレビ業界の権力構造

  3. 8

    相次ぐ海外勢欠場の幸運…日本勢は異例の“棚ボタ”メダルラッシュへ【25日開幕フィギュア世界選手権】

  4. 9

    『スマスロ ミリオンゴッド』が4月に登場 史上最高の射幸性を誇った初代『ミリオンゴッド』の伝説

  5. 10

    元ジャンポケ斉藤が裁判で無罪主張の裏で…妻・瀬戸サオリの“息子顔出し”と"名字"隠し投稿の意味深