著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(4)選定療養費拡大が意味すること…延命治療は自己負担の時代へ

公開日: 更新日:

 今回の総選挙で注目された“チームみらい”は、消費税ではなく社会保険料の引き下げを訴えて、現役世代や若者たちの支持を得ました。高市政権も、高齢者の医療費負担を増やして、現役世代の負担を減らす方向を目指しています。

 しかし、昨年議論された「OTC類似薬の保険外し」は批判が大きく、引っ込めざるを得ませんでした。「高額療養費の限度額引き上げ」も、患者の負担増につながります。これから本格的な議論が始まるでしょうが、簡単には導入できないでしょう。

 しかし、もし初診時選定療養費(診療所などからの紹介状なしで大病院にかかるときに支払う特別料金)と同じようなカラクリを、高齢者に適用ができれば、国民の批判をかわしつつ、健康保険の負担を減らすと同時に消費税の増収も期待できます。

 たとえば「高齢者の延命治療」です。すでに死が避けられない患者に延命治療を施すことは、患者の苦しみを長引かせ、その尊厳を損なう行為だと主張する医療関係者は少なくありません。しかもその費用は、1人につき1日数万円もかかります。一定の年齢以上の高齢者への延命治療は選定療養とし、その費用の大半を本人(家族)に負担してもらうのは、社会的コンセンサスが得られやすいとの考えもあります。それによって延命治療を望まない患者が増えれば、それはそれで健康保険の負担削減につながります。

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