著者のコラム一覧
片岡たまき

神奈川県平塚市出身。元RCサクセション・マネジャー兼衣装係。夫は「パスカルズ」のバンドマスター、ロケット・マツ氏。著書に「あの頃、忌野清志郎と」(宝島社)。

会報でファンに本音「闘病生活が大変だとか思わないで」

公開日: 更新日:

 2008年2月10日、「忌野清志郎 完全復活祭 日本武道館」が開催された。

 開演時間の18時過ぎ、清志郎を待ちわび、割れんばかりの手拍子が武道館に大きく響く。場内が暗転、「君を呼んだのに」(1982年)のイントロとともに、ステージ上方の巨大スクリーンに療養生活中の清志郎が映し出された。

「それは、髪の毛がまるっきりない坊主頭の清志郎さんでした。抗がん剤の副作用が出た姿から、毎日、自撮りで記録写真を残したんですね。写真は走馬灯のようにコマ送りされ、徐々に髪が伸びて、ついにはメークをした衣装姿の清志郎さんになった。大歓声と涙の素晴らしいオープニングでした」

 清志郎はどうしてそこまで、自分をさらけ出すのか。

「生来のエンターテイナーぶりには驚かされるばかりです。深刻な状況下でも、俯瞰して自分を見る絶妙なバランス感覚と、たとえ転んでもただでは起きない表現者の魂。写真の中には時々、レゲエのカツラや夜店のお面をかぶったり、ところどころに自画像も紛れ込ませていた。どんな時にも、ユーモアを忘れない清志郎さんがいます。人を楽しませることで、自分も楽しんでいるように思います」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い