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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

小骨が喉に刺さり…救急ってなんでこんなに金がかかるんだ

公開日: 更新日:

 映画ロケの続く中、突然の交通事故を起こし、済まないことでした。改めて世間さまにお詫びを。

 何でも一寸先は闇か。往生してしまった。夜、ロケ弁当をパクついていたら、喉に切り身の焼きサバの骨が刺さったのか、ゴクンと唾をのみ込むたびに引っかかり、不快で仕方ないので、ロケをやめ、都内のど真ん中から、あちこちの救急病院に電話をかけまくった。

 一番近い中野区の東京警察病院の夜間受付は「今夜は咽喉科の専門医はいません」と切られた。西新宿の総合病院にも、「骨が刺さったんです」と言うと「でしたら夜間救急なので救急車で来ていただけますか」と言われる始末。「いや、魚の小骨だし、自分の車で今から向かいます」と食い下がっても、「うちは救急車でお願いしてますよ」と。いやいや、世の中のお手を煩わせることなく自力走行、無事故で行きますからとかなり執拗に食い下がってみたが、結局、断られてしまった。

 だったらどこかよそを紹介しろ! こっちはサバの小骨でロケまで中止して病院探してんだぞ! 命に関わらないにしろ早いとこ診てくれよ! と怒鳴りたかった。中野区と練馬区の夜間救急外来を7カ所ぐらいは当たったが、喉の内視鏡を扱う担当医がいるところがないとか。のむたびに喉が痛いことももう忘れて、ただただ救急病院を探しまくった。

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