追悼・内田裕也さん 名優にも臆さぬ行動力と自由な表現力

公開日: 更新日:

 裕也さんの奥さまの樹木希林さんとも親しくさせていただきましたが、お2人の長女の也哉子さんが本木雅弘さんと結婚した時のことも思い出されます。披露宴では桑名正博さんと「裕也さんから娘が結婚するという電話がかかってきた時は驚いた。電話といえば、電気を止められたかガスが止まったが相場だったから。裕也さんに幸せが訪れていいのか」と笑い合っていたら、僕の顔を見るなり胸ぐらをつかみ「オレに黙ってデ・ニーロに会ったな!」です。

 披露宴の前日のニュース番組で、僕が製作した映画「RAMPO」の全米試写会の様子が放送され、そこにロバート・デ・ニーロが参加していたことに腹を立て、希林さんが言うには「テレビを見ながらクソー、クソーとうなってました。披露宴の前日なのにね」。

 裕也さん、希林さんご夫妻とは一緒に映画を作ったり、食事をしたりと密な時間を過ごしました。とにかく思い出は尽きませんが、映画「十階のモスキート」(83年)や「コミック雑誌なんかいらない!」(86年)など裕也さん流の自由な表現と暴走が見事にハモった時代がたしかにありました。

 生きているときはこれほど大変で迷惑で早く死んでくれと祈る業界人が多かった人もいません。でも、いざ亡くなってしまうとこれほど寂しい人もいない。それが内田裕也さんでした。謹んでご冥福をお祈りいたします。

(談=聞き手・米田龍也/日刊ゲンダイ

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?