著者のコラム一覧
本橋信宏作家

1956年、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。バブル焼け跡派と自称。執筆はノンフィクション・小説・エッセー・評論まで幅広い。2019年、「全裸監督 村西とおる伝」(太田出版)が、山田孝之主演でNetflixで映像化配信され大きな話題に。最新刊に、「東京降りたことのない駅」(大洋図書)、「全裸編集部」(双葉社)などがある

堀江しのぶがスキルス性胃がんと判明 余命2か月の宣告に…

公開日: 更新日:

 東京の病院では名古屋の堀江しのぶの両親に負担がかかるし、メディアが勘づいてしまうおそれがあった。野田は堀江しのぶを名古屋の病院に転院させた。彼女とメディアには、卵巣嚢腫ということにしておいた。

 考え得るあらゆる治療を施し、できるだけ本人に負担がかからないようにした。

 毎月の治療費は300万円近くかかった。

 堀江しのぶの両親に負担させたくなかったので、野田が治療費を負担した。堀江しのぶという唯一の稼ぎ頭が入院したことで、野田の収入は途絶えた。

 助かる確率は限りなく0%になっても、できる限りのことはしてあげたい。

 それにしてもカネがない。

 出入りしていたある男の所に行って、仕事をもらおう。

 四谷から目黒区青葉台に事務所を移したあの男のもとに行った。

「(堀江)しのぶが病気なんだ」

「どうした?」

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