著者のコラム一覧
本橋信宏作家

1956年、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。バブル焼け跡派と自称。執筆はノンフィクション・小説・エッセー・評論まで幅広い。2019年、「全裸監督」(太田出版/新潮文庫)が、山田孝之主演でNetflixで映像化配信され大きな話題に。最新刊に「花街アンダーグラウンド」(駒草出版)などがある。

返品された雑誌のアンケートはがきに自分で「堀江しのぶ」

公開日: 更新日:

 零細プロダクションだったイエローキャブ代表・野田義治は大手プロダクションと互角に戦うために知略を巡らせた。

 堀江しのぶしかいない弱小プロダクションだから、カネがかからない戦いでなければならない。正規戦ではなくゲリラ戦を! 編集者たちに堀江しのぶ人気の凄さを思い知らせる作戦を考えてみた。

 ある日、駅の売店できょう発売の週刊誌をチェックした。

 昔から雑誌好きで本の匂いが好きだった野田義治は若いころ雑誌の取次店でアルバイトをしていた。雑誌や新聞は、発行元から店頭に並ぶ途中、取次店という流通業者によって全国に配送されていく。取次業は雨の日も風の日も雪の日も嵐の日も全国津々浦々の書店、キオスクに雑誌・新聞を運び、一律の定価で全国ほぼ発売日同日に購入できる、日本人の知的レベルを高度に保つ縁の下の支えである。

 野田はその取次店でアルバイトしていたことを雑誌の匂いとともに思い出した。

「売店から売れ残った雑誌、新聞が戻ってくる。返品になったら新聞何部、雑誌何部って昔はロープでこうやって(縛る真似)梱包してたの。その後裁断されるんだけど、毎日毎日、そういう仕事やってたんですよ。返品の雑誌にアンケート用はがきがとじこみであるんですよ。堀江しのぶが載った号のアンケート用紙それを全部破って、今週号で一番よかった記事、という項目にうちの堀江しのぶの名前を書いて投函したんです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    《タニマチの同伴女性の太ももを触ったバカ》を2発殴打…元横綱照ノ富士に大甘処分のウラ側

  2. 2

    日本ハムは「自前球場」で過去最高益!潤沢資金で球界ワーストの“渋チン球団”から大変貌

  3. 3

    高市首相が天皇皇后のお望みに背を向けてまで「愛子天皇待望論」に反対する内情

  4. 4

    年内休養の小泉今日子に「思想強すぎ」のヤジ相次ぐもファンは平静 武道館での“憲法9条騒動”も通常運転の範囲内

  5. 5

    新庄監督にガッカリ…敗戦後の「看過できない発言」に、日本ハム低迷の一因がわかる気がした

  1. 6

    『SHOGUN 将軍』シーズン2撮影中の榎木孝明さん「世界的な時代劇映画のプロデュースに関わりたい」

  2. 7

    横綱・豊昇龍が味わう「屈辱の極み」…大の里・安青錦休場の5月場所すら期待されないトホホ

  3. 8

    和久田麻由子アナがかわいそう…元NHKエースアナを次々使い潰す日テレの困った“体質”

  4. 9

    あの細木数子をメロメロにさせて手玉に…キックボクサー魔裟斗のシタタカさ

  5. 10

    細木数子と闘った作家・溝口敦氏は『地獄に堕ちるわよ』をどう見たか? “女ヤクザ”の手口と正体