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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

悩み続け遠回り 迷い道こそ「森三中・黒沢かずこ」の本道

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 そんな黒沢が夢中になった番組が、ダウンタウンらの出世作となった「夢で逢えたら」(フジテレビ)だ。

 当時から彼女は極度の人見知り。ごく限られたグループでしか話さない日々が続き、「何で私生きてるんだろう?」と自ら命を絶っていいとまで考えるようになっていた。だが、「ダウンタウンさんに会いたい! ダウンタウンさんとお仕事したい! って気持ちだけで、何とか10代を乗り越え」(同前)ることができたのだ。

 だから、黒沢は芸人になろうと志したが、高校の時に読んだ松本の著書「遺書」(朝日新聞社=94年9月1日発売)に「女性の芸人さんは難しい」と書かれていて、がくぜんとした。当の松本が言っているのだ。ショックだった。だから、黒沢は芸人を諦めた。

 それでも、ダウンタウンと関わる仕事をしたいと放送作家のセミナーに通い始めた。けれど、やればやるほど自分には向いていないという気持ちが大きくなった。挑戦しないのに諦めるのはダメだ。迷って遠回りはしたが、改めて黒沢は芸人を目指し始めたのだ。

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