布施博さんが振り返る 団地で過ごした古き良き昭和時代

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 舞台俳優を皮切りにトレンディードラマでブレークし、その後はバラエティーでも活躍中の布施博さん(60)。だが、幼少期はまったくオシャレとは無縁、今だから話せる貧乏ストーリーがあった……。

 ◇  ◇  ◇

 幼い頃の記憶でおぼろげに覚えているのが、おふくろに手を引かれて朝早くに八百屋へ行ったことです。目的は大根。買うんじゃないんです。切り落とした葉の部分をタダでもらいに行く。だから用があるのは表じゃなく店の裏手(笑い)。

 それを抱えて帰りは豆腐屋さんへ。といっても豆腐じゃないですよ。オカラです。こっちは買うんですけど、丼にテンコ盛りにしてもらって確か10円でした。これが週に何回かあって、オカラはほぼ毎日、食事に出てきたね。今でもオカラ料理を見ると、その頃のことがふとまぶたに浮かびますよ。

 貧乏だったんです。子供のころは魚だ、卵だ、ましてや肉なんて見たことない。買えやしないんだから、しょうがないけど(笑い)。でも、5歳上の兄と俺にはひもじい思いをさせたくなかったんだろうね。

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