布施博さんが振り返る 団地で過ごした古き良き昭和時代

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 鹿浜って、今もそんなに便利な場所じゃないけど、そのころはまったくの陸の孤島でね。別名“東京のチベット”。それっくらい都心から離れ、足立区でも隅の隅っこにあるもんだから、破格だったんだろうね。

 でも、ウチみたいな貧乏な家庭にとってはありがたい場所でした。トイレはボットン式から水洗タイプになり、居間での雑魚寝から解放されたんですから。

 かといって、生活が一気に明るく改善されたわけでもなく、相変わらず、オヤジは怒るとちゃぶ台をひっくり返してましたけどね(笑い)。

■友達の家でショートケーキのオヤツが出て驚いた

 当然、共稼ぎ。おふくろは昼は近くの繊維工場で働き、夜は縫い物だとかの内職。朝から晩まで家族のためにずっと働きづめでしたよ。なのにお金に困ってて、ご飯はさっき言ったように何とかしてたんだけど、さすがにオヤツにまでは手も金も回らない。

 小5の時です。たまたま友達の家へ遊びに行って驚いた。「オヤツですよ」って出てきたのが真っ白なショートケーキ。何、それ?オヤツって何? って。ウチじゃ、見たことなかったんだよ(笑い)。

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