新海監督 最新作「天気の子」で見せたぶち壊しの反骨精神

公開日: 更新日:

 2016年の夏に公開され、日本映画史上歴代4位となる250億円もの興行収入をたたき出したアニメ映画「君の名は。」。社会現象にまでなったこの作品を監督した新海誠の、3年ぶりとなる新作「天気の子」が公開され、話題を集めている。

 事前にマスコミ向けの試写会さえ行わず、内容に関する詳しい報道もほとんどされなかったが、知名度も話題性も今夏イチ。その狂騒ぶりを映画批評家の前田有一氏がこう解説する。

「繊細な光の表現で知られる新海監督のこだわりで、完成度を高めるため修正と調整を繰り返しているとは聞いていましたが、結局完成したのは公開のわずか12日前だったとか。ただ、同じく試写会をしなかった『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(公開中)のように、人気タイトルの場合は事前情報がないことで逆に注目を集めることもあります。『天気の子』も同様で、ネットの投稿サイトでは、見てもいないのに公開前に低評価が続出するなどの珍現象も起きました。それだけ興味と期待を集めていた証拠です」

 降雨連続記録が続く異常気象の夏。高1の家出少年、帆高(声=醍醐虎汰朗)は、新宿・歌舞伎町でネットカフェ難民となっていたとき、食べ物をくれたやさしい同世代の少女、陽菜(声=森七菜)と出会う。じつは彼女には祈るだけで晴れ間を呼べる特殊な能力があり、2人はそれを利用して商売を始めるが……。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」