著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

はんにゃ金田哲には望んでも手に入らない「華」がある

公開日: 更新日:

 その理由を彼らは「実力不足に気づかなかった」「その時の僕らの実力は『大学生レベル』」と分析している(同前)。ブームが終わり、さまざまな悔しい言葉を投げかけられ、惨めな思いもしてきた。それでも「お笑いが好きで、夢を見ずにはいられない」(同前)。

 冒頭の番組でも、金田は岩井に「大学生ノリみたいなボケの感じ」「はんにゃさんって、初速だけでずっと生きてる」と口撃された。それでも「逆にそんなヤツいるか?」「チャンスじゃねえかよ」ともはや意に介さない。

「芸人って、大喜利力とかトーク力を求められますけど、僕らの場合それらが皆無なので(笑)、基本、言葉で笑わせるというよりかは、現象だったり顔や動きで笑わせるっていう、分かりやすいネタをずっと続けてきてる」(KADOKAWA「ザテレビジョン」ネット版19年8月1日配信)

 そして最終的には「顔」だと開き直る。かつて吉本男前ランキングで2位を獲得したイケメンを、思いっきり崩した変顔は確かに分かりやすくて破壊力がある。「15年間、顔で勝負している芸人もなかなかいない」(同前)と。

 武器は少ないかもしれない。けれど、金田には他の人が望んでもなかなか手に入れることができない絶大な“華”がある。

「全身全霊で今後も、ケツ田プリ男をやっていきたいと思います」(「しくじり先生」=前出)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋