著者のコラム一覧
太刀川正樹ジャーナリスト

1946年、東京生まれ。国際ジャーナリスト。早稲田大学教育学部英文科在学中、韓国国立ソウル大学語学研究所へ留学、韓国語を学ぶ。講談社の日本語版「ペントハウス」ニューヨーク特派員などを経験。著書・訳書に「政権交代」「平壌十五号官邸の抜け穴」「オリンピック30年」など。

巨額の借金と体調不良に苛まれたあげく覚醒剤に手を出し…

公開日: 更新日:

 私は1985年に「大阪暮色」でデビュー後、数多くのヒット曲に恵まれました。一番多い時には1カ月1500万円の収入があり、10カ月で100回もの地方コンサートをこなしたこともあります。でも残念ながら当時の私は芸能事務所からの月給制で、手取りとなると皆さんが想像するような金額ではありませんでした。私の手元に残ったのは10分の1くらいです。ちなみに85年、デビュー当時の月給は15万円でした。

 私は92年、高校時代に知り合った幼馴染みの在米事業家と結婚。彼は日本との衣類関連の貿易事業をしていましたが、97年に韓国を襲った経済危機(IMF危機)が直撃し、私が保証人だった事業も大幅な赤字となりました。

 その1年前の96年に立ち上げた独立事務所(桂オフィス)でも毎月700万円以上のポケットマネーを使っていたため、事務所の赤字と夫が残した債務は膨大な借金となり、総額で恐らく3億円ほどに膨らんだのです。

 この債務に関しては2006年、最終的には関西に住む在日の事業家が一括して引き受けてくれました。その事業家は桂オフィスの負債を含めた全ての権利(都内赤坂、元麻布の高級マンションの権利譲渡を含めて)を譲る条件と、私には毎月50万円を支払うという約束をしてくれたのです。

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