著者のコラム一覧
太刀川正樹ジャーナリスト

1946年、東京生まれ。国際ジャーナリスト。早稲田大学教育学部英文科在学中、韓国国立ソウル大学語学研究所へ留学、韓国語を学ぶ。講談社の日本語版「ペントハウス」ニューヨーク特派員などを経験。著書・訳書に「政権交代」「平壌十五号官邸の抜け穴」「オリンピック30年」など。

デビューした1979年は韓国政界に激震が走り芸能界にも暗雲

公開日: 更新日:

 当時人気急上昇の桂銀淑も宴席に呼ばれたのではないかという噂も流れたが、当時、未成年(18歳)の彼女が呼ばれることはなかった。そんな噂が流れるほど桂銀淑の名前は売れていたということだろう。

「私はお金よりもファンや人を大切にする寂しがり屋です。本当は大人になりたくなかった。日本のファンは青空のように澄んでいて、曇ったものが一つもありません。私の人生には今、歌しかありません。私は歌えるだけで満足です。韓国の歌手がなぜ上手かって?それは民族のDNAにあるかも知れません。この国(朝鮮半島)は歴史的にも戦争や内乱、南北分断、中国や日本による支配など数々の悲しい歴史を経験してきました。韓国固有のパンソリと呼ばれる民族音楽の豊かさも特徴的です。南珍、羅勲児、李相烈のようなトロットとよばれるジャンルもあります。女性ではパティ・キムや金相姫のようにジャズも得意な歌手もいます。でも喜びも悲しみも皆、歌で表現してきたのです。あと韓国人が好きなキムチが喉によいのかも知れませんよ」と言って桂銀淑は笑った。

(つづく)


♪ケイ・ウンスク 1962年7月28日、韓国ソウル生まれ。歌手。高校在学中からCMモデルとして活躍し、79年に韓国でレコードデビュー。アイドル歌手として人気を集めた。作曲家の浜圭介に見いだされ、85年にシングル「大阪暮色」で日本デビュー。その後は「すずめの涙」「ベサメムーチョ」などヒット曲を連発。NHK紅白歌合戦には88年から94年まで7年連続出場。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず