著者のコラム一覧
太刀川正樹ジャーナリスト

1946年、東京生まれ。国際ジャーナリスト。早稲田大学教育学部英文科在学中、韓国国立ソウル大学語学研究所へ留学、韓国語を学ぶ。講談社の日本語版「ペントハウス」ニューヨーク特派員などを経験。著書・訳書に「政権交代」「平壌十五号官邸の抜け穴」「オリンピック30年」など。

満期出所まで残り2カ月で母親が死んで…葬儀の費用もなく

公開日: 更新日:

 私がこれまでの人生で最も後悔していることは覚醒剤事件もそうですが、唯一無二の母親の死に目に会えなかったことです。

 覚醒剤服用の現行犯とポルシェ詐欺事件(執行猶予)が加重されて結局、懲役1年6月の実刑判決を受けて、水原刑務所に収監されました。

 女子房では7人の女囚との雑居房ですが、他の先輩の女囚から「あんた、歌を歌ってよ」なんて言われたこともあります。でも刑務所ではいじめられたりしたことはありません。私は女手一つで育てられたせいか、けっこう気が強く、口喧嘩には負けないタイプです。それに看守女性も私のファンで、たばこを差し入れてくれましたが、私は吸わないので断りました。

 私が満期出所まであと2カ月残していた2016年4月、母親は92歳でこの世を去りました。若い頃から女手一つで私を育ててくれた母親は50代から糖尿病に悩み、合併症を併発して、腎臓、肝臓、そして認知症となり、最後は老人ホームで息を引き取りました。ソウル市内の葬儀会場に行くために法務部から2泊3日の特別外出許可を受けて喪主をつとめました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした