著者のコラム一覧
二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

追悼・松本ちえこさん 今も脳裏に浮かぶあのバスボンのCM

公開日: 更新日:

「当時は月刊男性誌もあり、グラビアを競っていた。話題の人を脱がすかが雑誌の売れ行きに直結した。専門のコーディネーターもいて口説いていた。狙いは一世を風靡(ふうび)した後、壁に当たり、悩み、次なるステップに踏み出すきっかけとしてヌードがあった。離婚した女優がヌードになったのもそうです」(元グラビア編集者)

 アイドルが脱げば、さらなる展開も待っていた。にっかつロマンポルノである。石原裕次郎らアクション映画からポルノ路線に切り替えたにっかつは、既成のポルノ女優から、他のジャンルから進出する人も探していた。歌手の畑中葉子五月みどりらも出演したにっかつ。松本もそのひとりだった。

 私生活でも松本は次なるステージに立った。未婚の母だった。後には結婚するも、やがて離婚。シングルマザーとして子育てが一段落すると、時代の流れに合わせるように今度はヘアヌード写真集を出版。再び脚光を浴びたこともあった。

「アイドルを演じ清純派のベールをかぶっている自分が息苦しくなった反動がヌードであり、奔放な恋愛だったと思う。アイドル後の決断は松本自身の意思だったそうですから」(芸能関係者)

 昭和の時代をアイドルとして疾走していった松本ちえこさん。今も脳裏に浮かぶのはあのバスボンのCMで見せた愛くるしい顔である。合掌。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較