二つ目ユニット「成金」で勉強し直してさらに落語が好きに

公開日: 更新日:

 結成翌年の暮れ、大きなホールで「大成金」という会を開いた。ゲストに歌丸、小遊三、昇太が出たことで超満員だった。すると翌年から定例会にも客が入るようになった。

「そのうち松之丞が売れてきて、さらに客が増え、満員になった時はうれしかったです。成金はメンバーの1人でも真打ちに昇進した時点で解散すると決めてました。それがよかったんじゃないでしょうか。それまで応援しようと思って通ったお客さまも多かったですから」

 落語芸術協会は歌丸会長が亡くなり、世代交代の時期にあった。そんな折に成金メンバーの小痴楽、松之丞、宮治ら生きのいい若手が台頭してきたのだ。

「僕が真打ちになったことで解散しますが、年に一度の『大成金』の会は続けます。同窓会みたいに」

 小痴楽は目を輝かせて言った。

  (つづく)

(聞き手・吉川潮)

▽りゅうてい・こちらく 本名・沢辺勇仁郎。1988年、東京生まれ。2005年、「ち太郎」で初高座。08年6月、父である5代目柳亭痴楽門下へ入門し「柳亭ち太郎」。09年9月、痴楽没後、柳亭楽輔門下へ。09年11月に二つ目に昇進し「3代目柳亭小痴楽」となる。19年9月、真打ち昇進。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし