「太神楽は外国人にも受ける伝統芸能。未来は明るい」

公開日: 更新日:

 太神楽はもともと神事芸能だったのが、寄席ができてから、曲芸だけ高座で演じられるようになり、色物として定着した。

「寄席は落語や漫才など聴いて楽しむ芸が多いので、太神楽のような見て楽しむ芸が珍重されるわけです。ただ、色物は客に受ければいいというもんじゃなくて、後に出る落語家さんにいい雰囲気で渡してあげる。役目はこれに尽きると思います。野球で言えば、中継ぎ投手ですね」

 確かに、色物は短い時間でつなぐワンポイントリリーフもあれば、長い時間やらざるを得ないロングリリーフもある。

「時間が押していて、前座さんから『短めにやって下さい』と言われるのはしょっちゅう。そういう場合はたとえ5分で下りても客には10分やったように思わせなくちゃいけない。反対に、トリの前のヒザ代わりで、トリの落語家の楽屋入りが遅れてて、それまでつながなくてはいけないこともあります。そこでは、やむを得ず延ばしてることを客に悟らせない。小仙親方はトリが遅れた際、1時間やってたのを見てます。

 仙之助・仙三郎では、50分つないだのが最長記録。それだけやると、曲芸だけでは客も飽きてしまう。そこで茶番が役に立つんです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態