著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

ジャルジャルのネタ作りは“癖”毎日の積み重ねで掴んだ優勝

公開日: 更新日:

 挑戦すること13回。4度目の決勝で見事に「キングオブコント2020」の栄冠を勝ち取りました。当日午後11時すぎ、記者会見などバタバタしている中、わざわざ電話で「おかげさまで優勝できました! やっと取れました! うれしいです! 最高です! ありがとうございます!」と伝えてくれました。

 10日ほど前、たまたま楽屋で会った2人に「ネタを見てください」とスマホの映像を見せられました。2本目に演じたタンバリンを持った泥棒の元ネタです。音が出る小道具がタンバリンだけだったので、このままでは尻すぼみになってしまう“物足りなさ”を感じました。他の道具も取り入れて福徳君をもっと“足手まといな相棒”にした方がいい、と伝え、彼らは鈴とホイッスルを加えて“間抜けさ”と“賑やかさ”が増していました。

 入学時の印象は“上品な子たち”。後藤君のお父さんは現・大阪府吹田市長、福徳君も芦屋の超ボンボンというNSCではあまりお目にかかることのないタイプで、言葉遣い、表情、所作、小道具の扱い方等々、端々に上品さがうかがえました。


 昨年ヤフーニュースで「8000本以上のネタを作ってきた」とインタビューに答えていました。大げさに思われがちですが、私はその逆で「ジャルなら1万本以上は作ってるやろ」と思っていました。というのも彼らのネタの作り方は独特で、どちらかが話しかけた言葉をきっかけに止まるまで言葉のキャッチボールを続ける。3分続けば3分ネタ、10分続けば10分ネタに仕上がるという具合です。本人たちが言うこうしてできた「ネタのタネ」を基に磨き上げます。NSC時代からネタ見せでは毎回違うネタを披露していましたし卒業してbaseよしもとへ出演するようになってからは一層頻繁に新ネタを演じていました。

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