平野悠
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平野悠「ロフト」創業者

1944年8月10日、東京都生まれ。71年の「烏山ロフト」を皮切りに西荻、荻窪、下北沢、新宿にロフトをオープン。95年に世界初のトークライブ「ロフトプラスワン」を創設した。6月、ピースボート世界一周航海で経験した「身も心も焦がすような恋」(平野氏)を描いた「セルロイドの海」(世界書院)を刊行。作家デビューを果たした。

タモリ“ハナモゲラ男”はシモキタ・ロフトで東京デビュー

公開日: 更新日:

 歌舞伎町のど真ん中なので、家賃はべらぼうに高い。<ROCK CAFE LOFT>は、2018年の3月にオープンした。18坪の小さな店。日本の音楽文化、ライブ文化を継承するために「ロック爆音空間」をつくりたい。部屋にひとり閉じこもってヘッドホンで聴くのではなく、その場にいる人たちとおしゃべりしながら、酒を飲みながら、ロックやフォークを分かち合って<爆音>で聴いてほしかった。でも、コロナ禍で赤字は積み重なるばかり。さて、これからどうしたものか……。

 若者の誰もが明日に向かって青春していた。高度経済成長期。政治の季節ならではの暗さから脱却し、明るい未来が待っていると信じていた。

 1975年の春だったと思う。いや、秋だったか……。正式なイベントじゃないのでハッキリした日時などを記した資料は残っていない。フリージャズのピアニスト山下洋輔さんに相談を持ち掛けられた。

山下「平野さん、九州に変な男がいる。1人で4カ国語を操ってマージャンの実況中継をやるんだ。仲間でカネを出し合って東京に呼ぶことにした。シモキタ・ロフトを深夜でいいから使わせてほしい」

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