著者のコラム一覧
神田松鯉講談師

昭和17年生まれ。群馬県出身。新劇・松竹歌舞伎などの俳優を経て、昭和45年2代目神田山陽に入門。昭和52年真打ち昇進。平成4年3代目神田松鯉を襲名。令和元年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。

怪談の基礎知識<下>客席を盛り上げる幽霊もいる!

公開日: 更新日:

 松鯉師匠の「乳房榎」はこの「重信殺し」を口演する。芝居だと後半へと続き、庄助が榎の滴を飲ませて重信の息子、真与太郎を育て浪江をあだ討ちする。

「小幡小平次」は、おちかの情夫である太九郎が、夫の小平次を釣りに誘い出し、舟から突き落として殺す。これで邪魔者が消えたとばかりに喜んでおちかのもとへ帰ると、そこにはなんと自分が殺したはずの小平次が……。その後、小平次の幽霊が2人を苦しめる話だ。

 寄席の客席がパッと真っ暗になるだけでもヒヤッとするが、実はもっと怖い演出もある。

「『幽太』という役があって、黒い着物を着た幽霊役が幽霊のお面をつけて客席に出てきて、お客さんを怖がらせるんです。もちろん今でもやってます」と松鯉師匠。今年は新型コロナウイルスの影響で幽太の登場はなかった。来年に期待だ。

 (構成=浦上優)

【連載】「講談」ブーム再来の舞台裏

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景