著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

オール阪神・巨人に学んだ計算通りにいかない笑いの緊張感

公開日: 更新日:

 長年、オール阪神巨人さんのネタを書かせていただいて、たくさんのことを学ばせていただきましたが、1987年の11月下旬、「なんば花月」の楽屋で起きた出来事を。

 年末年始は、漫才番組が現在とは比較にならないぐらいテレビ放送されていました。そのため売れっ子の漫才コンビは11月末からは年末年始特番の収録、劇場出番、営業、テレビの生放送と大忙し。そんな最中、大人気だった今いくよ・くるよのくるよさんが、喉を痛めて声が出なくなってしまいました。代役が他の人気芸人さんたちに割り振られ、私の担当する阪神巨人さんもすでに決まっていた10本近い番組と合わせ、14~15本(もっと多かったかもしれません)のネタ番組へ出演することに。

 どの番組でどのネタを披露するか打ち合わせをしていると、突然、巨人さんが「全部(ネタを)変えよ!」と言われたのです。番組ごと全て違うネタを披露するというのだから、相方の阪神さんも唖然として、私と顔を見合わせました。

 巨人さんは「変えよ、変えよ、そうしょう」と言うやいなや、その日の打ち合わせに持参した新ネタの台本のコピー用紙の裏に線を引き始め、縦に放送日(収録日も含む)、横に放送局と番組名、ネタ時間、そしてネタの内容を書き入れる予定表が作られました。その空欄に「ここはあれしょう、この生(放送)はあれでいけるな、ここは新ネタ……」とあれよあれよという間に巨人さんの字で埋まっていきます。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    清原和博氏が巨人主催イベントに出演決定も…盟友・桑田真澄は球団と冷戦突入で「KK復活」は幻に

  3. 3

    巨人今オフ大補強の本命はソフトB有原航平 オーナー「先発、外野手、クリーンアップ打てる外野手」発言の裏で虎視眈々

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  1. 6

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  2. 7

    高市首相のいらん答弁で中国の怒りエスカレート…トンデモ政権が農水産業生産者と庶民を“見殺し”に

  3. 8

    ナイツ塙が創価学会YouTube登場で話題…氷川きよしや鈴木奈々、加藤綾菜も信仰オープンの背景

  4. 9

    高市首相の台湾有事めぐる国会答弁引き出した立憲議員を“悪玉”にする陰謀論のトンチンカン

  5. 10

    今田美桜「3億円トラブル」報道と11.24スペシャルイベント延期の“点と線”…体調不良説が再燃するウラ