田中幾太郎
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田中幾太郎ジャーナリスト

1958年、東京都生まれ。「週刊現代」記者を経てフリー。医療問題企業経営などにつ いて月刊誌や日刊ゲンダイに執筆。著書に「慶應幼稚舎の秘密」(ベスト新書)、 「慶應三田会の人脈と実力」(宝島新書)「三菱財閥 最強の秘密」(同)など。 日刊ゲンダイDIGITALで連載「名門校のトリビア」を書籍化した「名門校の真実」が好評発売中。

古関裕而の人気曲「高原列車は行く」の舞台はJR小海線か

公開日: 更新日:

■地元で「マッチ箱」と呼ばれた小さな列車

 さて「高原列車は行く」だが、場所はどこを想定してつくられたのだろうか。実は、これについては議論があるところ。発表された当時は、日本でもっとも高い標高を走るJR小海線の野辺山高原(長野県)がモデルになっているという報道が多かった。

 しかし、この説については、福島県民の中には反発する人も少なくないはず。歌碑があるのは福島県猪苗代町。丘自身も詞は磐梯山のふもとを走っていた沼尻軽便鉄道(1969年廃線)を思い浮かべながら書いたと語っているからだ。幼いころ、体が弱かった丘少年は学校の遠足などの行事に参加できなかった。代わりに、休みになると乳母に連れられ、この列車に乗って、猪苗代湖畔の風景を楽しんだという。

 ただ、この鉄道は高原列車のイメージにはほど遠かった。もともと、沼尻鉱山で採掘される硫黄鉱石を運ぶために敷かれた鉄道だった。磐梯山のゲレンデに向かうスキー客も利用したが、列車の大きさはとても小さく、地元の人たちからは「マッチ箱」と呼ばれていた。

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