withコロナ時代の中国エンタメ最前線<特別編>オンラインに拍車

公開日: 更新日:

国を挙げての支援

 さらに活況なのがeスポーツだ。eスポーツは、PC機器の技術向上やコンテンツ開発を促す起爆剤となるだけではなく、プロチーム結成による興行やスポンサーの参入などさまざまな周辺産業と結びつき、莫大な経済効果をもたらすため、中国政府はいち早くその振興に動き出している。2003年には国家体育総局がeスポーツを「国家スポーツ戦略」に組み込み、eスポーツの国家チームを結成。国際大会に派遣するなどの支援策を実施。日本の経済産業省も近年eスポーツに力を入れ始めているが、肝心なプレーヤーの数も圧倒的に少なく、中国や韓国と比べるとスタートダッシュの遅れが否めない。中国政府にとってeスポーツは「アミューズメント」というよりは、経済振興につながる「デジタルスポーツ競技」という位置付けなのだ。

 9月25日には上海で「LoL」(LEAGUE of LEGENDS)の世界大会「2020 World Championship」が開催され、中国のほか、北米、欧州、韓国、南米など各国のトップチームが参加。日本チームも参戦した。10月31日、上海浦東サッカー場で開催された決勝戦は、人数は制限されたものの、観客入りで行われ、実名制による抽選で6312人が入場無料で世界最高峰の試合を楽しんだという。応募は300万人以上といい、観客も激戦だった。

 高らかに「コロナ収束宣言」をした中国。2021年、デジタル化の波はますます加速し、世界中の資金と技術が中国のエンタメ業界に集結すると予測されている。死に体のハリウッドが中国のエンタメ業界にのみ込まれる日も近いかもしれない。 

▽周来友(しゅう・らいゆう)1963年、中国生まれ。87年に私費留学生として来日、95年に東京学芸大学大学院を卒業。「週刊新潮」「週刊文春」などに中国事情について執筆するほか、「ここがヘンだよ日本人」(TBS系)、「なかよしテレビ」(フジテレビ系)、「未来世紀ジパング」(テレビ東京系)などバラエティーやワイドショーにも出演。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  4. 4

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  5. 5

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  1. 6

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  2. 7

    森下千里氏が「環境大臣政務官」に“スピード出世”! 今井絵理子氏、生稲晃子氏ら先輩タレント議員を脅かす議員内序列と評判

  3. 8

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  4. 9

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  5. 10

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々