コロナ禍でテレビの凋落が加速…花形ギョーカイは死屍累々

公開日: 更新日:

 視聴者もそれを承知で喜んで見ていたのではないか。対岸の火事じゃないが、自分は安全なお茶の間にいて、煎餅をぱりぱり食べながらの野次馬見物だ。

 しかし、コロナ禍という未曽有の事態では、視聴者もその渦中にいる。世界が恐怖に包まれる中、そこで人々が求めるのは安心安全である。安心材料を探しているのに、テレビをつければことさら恐怖をあおられるのだから、テレビ慣れしている人でさえネットに乗り換える動きが加速しているのも当然か。

 そもそもテレビは、誤解を恐れずに言えば読み書き能力の低い視聴者のレベルに合わせて番組を作っている。そうした視聴者はおおむね情報弱者だ。知識に乏しく、判断力もない。だから「わかりやすさ」を第一に制作してきたが、それがより露悪的な演出へとなってしまう。そして事実関係や情報の確度すら、ないがしろにしてきたものだから、今回のコロナ禍でテレビは視聴者の信用を失い、テレビの伝えるコンテンツをうのみにしてきた層からも見放されつつある。これはもう末期的だ。

 もともとテレビの収録スタジオは密の最たる場所である。現場にはADやディレクターなど比較的若い層が働いていて、無症状の感染者がいてもわからない。まともな感覚ならスタジオ収録は避けるべきところだろうが、それをやめて、変わるべきものは見つからない。この体たらくだから、ますます企業の広告出稿はネットへと流れていくだろう。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 2

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  3. 3

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 4

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  5. 5

    来春WBCは日本人メジャー選手壊滅危機…ダル出場絶望、大谷&山本は参加不透明で“スカスカ侍J”に現実味

  1. 6

    詞と曲の革命児が出会った岩崎宏美という奇跡の突然変異種

  2. 7

    高市政権にも「政治とカネ」大噴出…林総務相と城内経済財政相が“文春砲”被弾でもう立ち往生

  3. 8

    「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”

  4. 9

    連立与党の維新が迫られる“踏み絵”…企業・団体献金「規制強化」公明・国民案に立憲も協力

  5. 10

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋