高橋伴明監督「痛くない死に方」終末医療の現実と理想の死

公開日: 更新日:

 高橋伴明監督(71)が新作「痛くない死に方」で描いたのは、終末医療の現場である。いや応なく訪れる人生の末期、病院では延命治療が当たり前のように施されているが、それでいいのか。在宅で、延命措置を求めない「リビングウィル」の選択肢も含め、理想の死に様を考えさせる意欲作だ。

 ――これが遺作だと、脚本から手掛け、取材もされたそうですね。

「ええ。65歳を過ぎた頃から、死というものを意識するようになってまして。周りで身につまされる話もあり、自分はどのように死にたいのか、本を読み漁っていたら、在宅医療という道があり、リビングウィル、人生会議といった言葉が入ってきた。いざとなったときでは遅い、今やるべきことがあると気づいたのがはじまりでした。そして医学の進歩によって、延命が可能になった一方で、本来あるべき自然な死を迎えられない、死ぬに死ねないような状況に陥りかねないと知って、これはまずいと思ったんです」

 ――そして在宅医療のスペシャリスト、長尾和宏氏に出会い、診療の現場に立ち会ったりしたと。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  2. 2

    長嶋茂雄引退の丸1年後、「日本一有名な10文字」が湘南で誕生した

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  5. 5

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  1. 6

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  2. 7

    レーダー照射問題で中国メディアが公開した音声データ「事前に海自に訓練通知」に広がる波紋

  3. 8

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  4. 9

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  5. 10

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」