著者のコラム一覧
ラサール石井タレント

1955年、大阪市出身。本名・石井章雄(いしい・あきお)。鹿児島ラ・サール高校から早大に進学。在学中に劇団テアトル・エコー養成所で一期下だった渡辺正行、小宮孝泰と共にコント赤信号を結成し、数多くのバラエティー番組に出演。またアニメの声優や舞台・演劇活動にも力を入れ、俳優としての出演に留まらず、脚本・演出も数多く手がけている。石井光三オフィス所属。

誰も「泥をかぶる」ことなく権力に“拘泥”する政治家ばかり

公開日: 更新日:

「泥」という言葉にはおおむね負のイメージがつきまとう。「泥棒」「泥沼」「泥舟」と思いつくだけでも悪い印象ばかり。

 日本のワクチン事情は先進国でも最低レベル。菅総理は勢い込んでアメリカに行ったもののファイザー社のCEOとは会ってもらえず、バイデンさんからの口利きもない。やっとできたのは電話会談。国際電話が高いから節約したんですかね。そしたら向こうは「協議を迅速に進めたい」と言っただけ。

 それを「9月までに供給のメドが立った」と総理は言うが、報道では「『メドが立った』との見通しを示した」だけであって、さすがに御用メディアは慎重に逃げ道を用意した。

 案の定、一方では下村政調会長が、ワクチン接種は来年春までかかるかもしれないと予防線。つまり9月までにはあくまで「メド」が立つだけのようだ。ついに最後の山形にもウイルスの変異株が見つかり、まさに日本は変異株に覆われて沈没寸前の「泥舟」とあいなった。

 かたや大阪は今や「泥沼」状態。医療崩壊が始まり、コロナ以外の救急患者は入院も手術もできない。「解除」と「要請」の反復横跳びに忙しい吉村知事はその合間を縫ってテレビ出演。そこでもマスク会食しか言うことがなく、「イソジン」や「大阪ワクチン」の話はおくびにも出さない。

日本は「泥々」の「泥くさい」国に

 一方名古屋市ではリコール署名偽造問題に新展開。ついに事務局幹部の山田氏が押印偽造を認め、田中事務局長の指示を示唆した。

 ところがあろうことか当事者であった河村たかし氏は市長選に出馬し現在選挙中である。事態の進展を見極めて選挙中なら報道も控えるだろうという判断か。全く知らぬと責任を転嫁。「お騒がせしました」の一言もない。

 そもそも盟友の選挙だ。高須氏は、百田氏は竹田氏は有本氏はなぜ応援に来ないのだ。来るべきではないか。「知らんがな」と無視を決め込むのか。日本を憂う益荒男ではないのか。それが憂国の士の姿なのか。

 ところが驚いたことに選挙は河村氏の優勢だというではないか。横井氏との事実上の一騎打ちだそうで、名古屋市民の皆さんはどういうお考えなのか。テレビに露出が多く、名古屋弁をしゃべれば庶民の味方ということなんだろうか。

 2人の候補はお互いに相手の批判に終始し、利益還元の商品券やポイントばらまき公約。

 これぞまさに「泥仕合」。

 このように市民、県民、国民のかがみであるはずの首長が、誰も謝らぬ、誰も責任を口にせぬ(ああ、前に責任は口にするが一回も取ったことのない宰相もいたな)。

 この日本は、誰も「泥をかぶる」ことなく権力に「拘泥」する政治家ばかりの「泥々」の「泥くさい」国に成り下がってしまった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    朝ドラ「あんぱん」豪ちゃん“復活説”の根拠 視聴者の熱烈コールと過去の人気キャラ甦り実例

  3. 3

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  4. 4

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  5. 5

    “Snow Manの頭脳”阿部亮平は都立駒場高校から“独学”で上智大理工学部へ 気象予報士にも合格

  1. 6

    長嶋一茂が晒した「長嶋家タブー」の衝撃!ミスターとの“今生の別れ”、妹・三奈との根深い確執も赤裸々

  2. 7

    手ごたえのない演奏を救ったのは山下達郎 弱冠22歳の雄叫びだった

  3. 8

    「時代と寝た男」加納典明(16)小熊を屋内で放し飼い「筋肉、臭い、迫力、存在感がぜんぜん違った」

  4. 9

    貴乃花の次女・白河れい「事務所退所」…“親の力を借りない”妹と長男・花田優一の現在地

  5. 10

    父の死去で長嶋一茂は“天然キャラ”封印…KY発言に噛みつく「不謹慎警察」のエジキになる恐れ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」豪ちゃん“復活説”の根拠 視聴者の熱烈コールと過去の人気キャラ甦り実例

  2. 2

    愛知県犬山市にある「もうひとつの万博」に行ってみた “本家”と違いストレスフリー&コスパよし

  3. 3

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  4. 4

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  5. 5

    長嶋茂雄さんは助っ人外国人のセックスの心配もしていた。「何なら紹介してやろうか?」とも

  1. 6

    「時代と寝た男」加納典明(16)小熊を屋内で放し飼い「筋肉、臭い、迫力、存在感がぜんぜん違った」

  2. 7

    長嶋茂雄と連れ立って石原裕次郎さんのお家で朝まで豪遊した顛末 試合は雨天中止と思ったのに…

  3. 8

    僕は宝塚シニアの3年時、全国大会初出場でPL学園からスカウトされた。後に阪神同期入団する二塁手は…

  4. 9

    長嶋茂雄さんは当然のように電車改札を「顔パス」しようとして、駅員に捕まった

  5. 10

    “中居正広寄り”の古市憲寿氏と視聴者のズレはどこで生まれた? フジ日枝批判での存在感は早くも過去のものに