宮本亞門さん「私が一番心配なのは国民の心が折れること」

公開日: 更新日:

宮本亞門さん(演出家)

 このパンデミック禍でなぜ今、五輪をやらなければいけないのですか?

 IOCは国民の多くが中止を求めていても知らん顔。菅首相も国会では答弁ではなく、ただ同じことを繰り返すばかりで会話を遮断。国民はそれを悶々としながら眺めている。私が一番心配しているのは、このまま何も論じ合わず、説得することもなく開催したら、国民が「どうせ、何を言っても変わらないんじゃないか」「どうせ日本はいつもこう」「いちいち選挙に行っても無駄」と無気力になったり、心が折れることです。

 私は、今年1月のある世論調査で国民の約80%近くの人が、中止か再延期、つまりNOと言ったのはとても素晴らしいことだと思っています。むしろ、日本の誇りに思っていい。

 57年前の東京五輪は素晴らしかった、でも、それは五輪憲章に基づいていたからです。しかし今はコロナ禍で世界的格差が進み、予選も出られない選手や練習状況も悪化した中、選考もフェアではなく、五輪憲章が言う「人類の尊厳や平和な社会の模範」とは、正反対の強引な弱肉強食で強権的な状況です。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    大谷2戦連続6号弾 先輩の雄星も驚く「鈍感力」発揮!名門球団の重圧や水原問題もどこ吹く風

    大谷2戦連続6号弾 先輩の雄星も驚く「鈍感力」発揮!名門球団の重圧や水原問題もどこ吹く風

  3. 3
    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

  4. 4
    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

  5. 5
    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

  1. 6
    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

  2. 7
    佐々木朗希にメジャー球団は前のめりも…ロッテ首脳陣が依然として計算できない脆弱ボディー

    佐々木朗希にメジャー球団は前のめりも…ロッテ首脳陣が依然として計算できない脆弱ボディー

  3. 8
    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

  4. 9
    阪神・岡田監督ようやく取材解禁の舞台裏 もう怖いものなし?今後の報道に忖度生じる可能性

    阪神・岡田監督ようやく取材解禁の舞台裏 もう怖いものなし?今後の報道に忖度生じる可能性

  5. 10
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異