お笑いコンビ号泣は12年ぶり再結成 08年解散後の貧乏ぶりを2人が振り返る

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お笑いコンビ「号泣」

 2000年代の芸人ブームで頭角を現したお笑いコンビの号泣は08年に解散。島田秀平さんはピン芸人になり、怪談話や原宿の母の弟子として占い師などで活躍しているが、昨年に相方の赤岡典明さんと再結成。2人に解散後の貧乏エピソードと今の思いを聞いた。

 ◇  ◇  ◇

島田 もともと、相方とは幼稚園、小、中学まで一緒で、2人ともお笑いが好きだったし、中学では落語クラブで一緒でした。

赤岡 高校は別々だったけど、僕の高校の文化祭で島田さんを呼んで漫才みたいなことを披露したのがコンビの始まり。結成してからはネタ合わせのために浅草の同じアパート暮らし。でも、同じ部屋は気持ち悪いから島田さんが1階、僕が2階の部屋を借りてました。お金はなかったですね。テレビに出始めても生活は変わらなかった。でも、僕はお金を使わないタイプで、ずっと部屋にいるのが苦じゃない。家賃以外は月に5万円あれば生活できる。08年に解散した理由は僕は「売れる、売れない」より純粋にお笑いをやりたかったから。周りからは「売れる」ことを期待されるけど、そこを目指すのがイヤで。2人とも引退して長野に帰るはずだったのに、島田さんは残ったのでビックリしました(笑い)。

島田 辞めることを事務所の大先輩のアッコさん(和田アキ子)に報告したら、「もう一年頑張れ」と言われ、怖い話と手相占いを始めたんですよ。その2つでテレビに呼ばれるようになるまではチラシ配りのバイトをしてました。

赤岡 僕は解散した後、「何かやらないとなぁ」と考えていた時に、テレビ局が募集してるドラマのシナリオ大賞を見つけたんです。「これだとできるかもしれないな」と思い、さっそく応募。結果はダメでしたけど、脚本を書くのが面白くてやってみようと。結構、応募しまくったけど、テレビ局の賞には1000本くらい応募があるのでダメで。劇団に「脚本を募集してないですか」と売り込んで回り、できたばかりの劇団で脚本を書き始めました。30すぎてバイトしながら新しい夢を持ったわけです。調理師の免許を持ってるのでバイトはずっと居酒屋のキッチン。

島田 古い友だちとはいえ、コンビって解散すると疎遠になるもので、12年間で連絡をとったのは僕が結婚する時だけ。でも、彼の脚本の舞台をこっそり見に行きました。コントとは違う、ちゃんとしたお芝居で「すごいなぁ」と。

■再結成のきっかけはユーチューブに出演(島田)

赤岡 その後、劇団の若い役者3人と新劇団を始めたんです。そしたら島田さんが「入りたい」と言ってきた(笑い)。

島田 「赤岡とまた面白いことやりたい」という気持ちと、怪談と手相ばかりで演じる仕事ができないジレンマもあったので。その前に、作家の倉本美津留さんのユーチューブに出演する際、「相方も呼んでよ」と言われ、12年ぶりに赤岡と一緒に収録したんですよ。そしたら倉本さんに突然「ネタもやってよ!」と振られて、急きょやることに!

■何か探さないとヤバい(赤岡)

赤岡 12年ぶりの漫才でしたけど、自転車って何年も乗ってなくても乗れるじゃないですか。そんな感じで漫才もそこそこはできました。

島田 そしたら倉本さんから「M-1グランプリにまだ出られるよ」と収録中に言われ、収録中に否定するのも変だから思い切って出ることにしたんです。結果は準々決勝敗退でしたが、再結成をメディアに取り上げていただき、他の収録に行くと第7世代とか、若手に「爆笑オンエアバトル見てました!」と言われたり、同期や先輩に「頑張ってよ!」と応援されたり。今後は号泣と劇団の二足のわらじでやりたい。

赤岡 僕としては号泣をやることで、自分の劇団の方にお客さんが跳ね返ってくればいいかな、と。ずっと飲食店でバイトしながらの生活でした。でも、このご時世で今は飲食店のバイトもやってない。何か探さないとヤバい。

島田 最近、号泣としてネタの仕事や地元長野の番組が入るようになったので、相方がバイトしなくて済むようガンバります! 実家の親同士が仲良しで、僕らがテレビに出ると喜びますし(笑い)。

▽赤岡典明(写真左)1977年、長野県生まれ。ボケ担当。/島田秀平(写真右)1977年、長野県生まれ。1996年にお笑いコンビ「号泣」を結成。2008年に解散。昨年再結成。赤岡主宰「軍団うれるーぞ」に島田も劇団員として参加。無料ラジオ配信アプリ「Radiotalk」で「お笑いコンビ号泣の開運ラジオ」配信中。

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