<6>「談幸は付き合って損のない数少ない落語家であります」

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 贈り物は、弟子一同がそろって師匠宅を訪れて手渡す。他に集まるのは新年会くらいだから、一門の大事な行事なのである。

「ある年のお中元で、欲しい物がなかなか決まらない。7月が過ぎると時季外れですし、師匠が、『品物をもらうことが目的じゃない。決めごととして、弟子は盆暮れに師匠のところへ挨拶に来るもんだ』と言ってたんで、とりあえず挨拶だけでもとお宅へ伺いました。すると師匠は激怒して、『手ぶらで来るべらぼうがあるか! てめえらみんなクビにする』って。弟子たちは顔を見合わせて、『おや、おや』ですよ。やっぱり贈り物が目的だった(笑い)。その証拠に、翌年は『品物だけで、弟子は来なくていい』と言いましたから。それで行かないと、また機嫌を損じるんです」 =つづく

(聞き手・吉川潮

▽立川談幸(たてかわ・だんこう) 1954年、東京生まれ。本名・高田正博。78年、明治大学卒業後、立川談志に入門。前座名「談吉」。82年、二つ目に昇進し「談幸」に改名。83年、落語協会から脱退し、落語立川流が発足。87年、家元である談志の認証により真打ち昇進。2014年、立川流を退会し、15年に落語芸術協会に入会。

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