著者のコラム一覧
増位山太志郎元大相撲力士

1948年11月、東京生まれ。日大一中から一高。初土俵は67年1月場所、最高位は大関。引退は81年3月場所。引退後は日本相撲協会で審判部副部長を務めた。74年「そんな夕子にほれました」、77年「そんな女のひとりごと」などがヒット。画家として二科展入選の常連。「ちゃんこ増位山」(墨田区千歳)を経営。

<9>相撲を楽しむ審判や判定の見方…行司差し違えが多いのはなぜか

公開日: 更新日:

 力士は血のションベンを流しながら一生懸命相撲を取っているんだから、審判員はしっかり見てやらないといけない。その一番の結果でその人の人生が変わるかもしれないんだから。審判も行司もそれくらいの自覚、覚悟を持ってほしいですね。今はすべてにおいて甘い。

 最近、行司差し違えが多いのは取り直しが少なくなったからです。取り直すと差し違えにならないから。

 微妙なのは、体は力士によって変わることです。私のようにうっちゃるタイプと押し相撲では違ってくる。うっちゃりは土俵際でも挽回できるから体を残そうとするけど、押し相撲はそれがないですから。また、しぶとい人の死に体としぶとくない人の死に体も違う。だから、かばい手、かばい足がある。寄り倒した時に相手にケガさせないようにかばって手をつく。今はそれが負けになる。相手の体がないのに、ケガさせるといけないからととっさに足を踏み出したら勇み足を取られる。

■72年の有名な一番

 昔はかばい手、かばい足があったんです。有名なのが昭和47(1972)年の横綱北の富士対関脇貴ノ花。北の富士が浴びせ倒しで勝った一番です。貴ノ花の体が残っていたか、北の富士が貴ノ花のケガを避けるために先に手をついたのかで揉め、物言いがつき、行司差し違えで北の富士が浴びせ倒しのかばい手で勝った。ビデオ判定があっても、人によって違うから死に体、生き体は一番文章に書けない、言葉にできない、判断もできない。そういう時は取り直しにした方がいいんです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃