維新の「身を切る改革」どこへ? 横行する文通費“移し替え”に専門家が違法性を指摘

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<立憲民主も国民民主もれいわも共産も起きてまっか?山本太郎さんも4時間で200万円相当の収入を丸取りでっか?丸取りならあんたらの言うこと信用ならんで!>

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 国会議員に支給されている月額100万円の文書通信交通滞在費(文通費)に対し14日、自身のツイッターにこう投稿した元大阪府知事の橋下徹氏(52)。文通費をめぐっては、衆院選で初当選した「日本維新の会」の小野泰輔衆院議員(47)がSNSで疑問を呈し、大阪府の吉村洋文知事(46)もツイッターで<維新の新人議員、小野さんから。なんと10月分の文書通信交通滞在費100万円が現金で満額支給されたとのこと(略)どうやら1日だけでも国会議員の身分となったので、10月分、100万の札束、満額支給らしい。領収書不要。非課税。これが国会の常識。おかしいよ>とツイートしたことから拡散する事態となった。

 ネット上では<これが『身を切る改革』だよな><まさに野党の本領発揮。他は何やってんの?>などと絶賛されているが、ちょっと待ってほしい。そもそも「日本維新の会」の議員は、これまで文通費を適正に使用しているのか。

「身を切る」ではなく「身を肥やしている」

 確かに維新はホームページ上で各議員が文通費の使途を公開している。だが、よくよく確認すると、毎月、文通費の一部を政党支部などに「移し替え」「流用」している議員が少なくないのだ。

 例えば、馬場伸幸幹事長(56)の7月の文通費の使途を見ると、自身が支部長を務める「日本維新の会大阪府第17選挙区支部」に72万4543円を寄付している。つまり、言い方を変えれば財布の中身を「移し替えた」だけ。ある意味、流用だ。

 それでも維新は使途を公開することが「身を切る改革」と思っているようだが、こうした「移し替え」について「違法行為」と指摘するのが、政治資金問題に詳しい上脇博之・神戸学院大教授(63)だ。

「文通費というのは、政党支部などの私的活動には使ってはいけない費用です。国会法などでも公のもの以外への支出を禁じている。維新は使途を公開しているから問題ない、という姿勢ですが、公開の目的は本来、使い方が適正なのかどうかを判断するため。違法行為でも公開すればいいというのは本末転倒です。議論の本質を理解していません。これは『身を切る』ではなく、『身を肥やしている』と言っていいのです」(上脇教授)

 維新は「特別党費」として集めて寄付することを検討ーーなどと報じられているが、維新はこれまでも散々、所属議員の使い方をめぐる問題を指摘されながら放置してきただけに、どうなることか。本気で「身を切る」のであれば、前のめりになっている憲法改正議論と同様、与党である自民党、公明党に廃止法案を呼びかければいいではないか。

 トリックスターに誤魔化されてはいけない。

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