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細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

五木ひろしの光と影<13>山口洋子からの初電話「三谷謙君って知ってる?」

公開日: 更新日:

■番組関係者の1人や2人抱き込むくらいは…

「彼が勝ち抜けばね」と平尾がやんわり拒むと、山口洋子は意外にも「大丈夫よ」とにべもなく言った。平尾は戸惑った。山口洋子のことだから何か勝算があるのか? もしかしたら“奥の手”を使うこともありうる。何しろ「姫」のマダムなのだ。審査員個人の情報が集まっていたとしても不思議はなく、番組関係者の1人や2人、抱き込むくらい赤子の手をひねるようなものかもしれない。

 しかし、解せないのは、なぜ彼女がそこまで、この無名の歌手のために必死になるのかということだ。

「彼がそれを望めばね」と平尾が言うと、「それも大丈夫」。

 洋子はキッパリ言い切った。このとき平尾昌晃は、自分が三谷謙に渡した自宅の電話番号のメモ書きが、山口洋子のもとに渡っていたことを知ったのである。  =つづく

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