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児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

韓国ではクラスター回避よりも宗教心が大切 何かにすがらないと生きていけない

公開日: 更新日:

 今は若者たちの脱宗教が加速し、宗教人口は減少傾向にあるというが、その一方で「サイビ」と呼ばれるカルト的な異端宗教がたびたび問題となっている。

 2年前、新型コロナウイルスが感染拡大する中、韓国で初めて大規模なクラスター感染を引き起こしたのは宗教団体の礼拝だった。大邱(テグ)の新興宗教団体「新天地イエス教会」がコロナ感染の温床になり、感染者が一気に2000人を超えたのだ。名の知れた宗教団体でもないのに信者数は20万人といわれ、多くの国民を驚かせていた。結局、宗教団体のトップは逮捕されたが、それ以後、韓国ではコロナと宗教がまるでセットのように報じられるようになった。

 韓国政府は防疫のために集会や礼拝といった宗教活動の一部を禁止したが、信者たちは聞く耳を持たない。宗教団体の指導者の教えには従っても、政府の要請には非協力的でワクチン接種を拒むケースも。これには韓国人女性も憤る。

「本当に理解に苦しむ。宗教を心のよりどころにするのは分かるけど、コロナに感染して死んだら元も子もないのに」

 ちなみに、映画「声もなく」に用意されたラストはあまりに残酷で言葉を失う。いくら神に祈ったところで救いがなさすぎる。

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