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吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<152>早貴被告は野崎さんの死も無感情で傍観者のように振る舞った

公開日: 更新日:

 事件の取材をしていると、このような性格の犯人に出くわすことが、ままある。確たる証拠を突き付けられない限り「やっていない」と言い張り、自分を傍観者のように装う特徴がある、というか本当にやっていないと自分に暗示をかけて、それが本当だと信じ込ませる性格である。

 ゴールデンウイークに東京を経由して札幌の実家に帰ると話している時も、そうだった。この時は、やはり東京に向かうドン・ファンとは別行動で、1人で南紀白浜空港から飛んだ。その空港で搭乗手続きを待つ早貴被告と話をした。

「羽田から乗り換えて札幌に行くんだろ」

「いいえ、姉のところに行ってから、翌日に札幌へ行きます」

 同居していた早貴被告が田辺に嫁ぎ、看護師の姉は新宿に1人で暮らすことになった。

「1人で家賃払うのは大変だろうに」

「だから、横浜に引っ越しました」

「へえ、横浜のどこなの?」


「あれ? どこだっけかな?」

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