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北島純映画評論家

映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。政治映画、北欧映画に詳しい。

ウクライナの命運は…「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」は今だからこそ見るべき映画

公開日: 更新日:

 異論はあるが、ウクライナ農民抹殺を狙ったスターリン政権の意図的政策だとする説も有力で、2006年にはユシチェンコ大統領(当時)がウクライナ人に対する「ジェノサイド」(大量虐殺)だと認定している。

■ウクライナは映画と縁が深い国

 映画の主人公は、実在した英国人記者ガレス・ジョーンズ。ジョーンズは、ヒトラーのインタビューを成功させロイド・ジョージ元首相の外交顧問を務めた新進気鋭のジャーナリストだったが、当時の大恐慌にもかかわらず経済成長を遂げているスターリン体制に疑問を持つ。単身モスクワに乗り込んだジョーンズは、ピュリツァー賞を受賞した米国人記者デュランティがスターリン体制のプロパガンダに加担しソ連礼賛の報道を続けている姿に直面、「真実」を求めてウクライナに行く。

 そこで彼が目撃したのは絶望的な飢饉で、赤ん坊が遺棄され人肉を食らう飢民が徘徊する地獄絵だった。帰国したジョーンズは隠蔽された飢饉の実態とスターリン体制の欺瞞を訴えるが聞く耳を持たれない。失意のうちに故郷ウェールズに戻ったジョーンズだが、新聞王ハーストに直訴して記事を発表する──という筋書きだ。ジョーンズ役はジェームズ・ノートン(36)、007ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグ後継として名前が取り沙汰されている期待の星。「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」で知られる女優バネッサ・カービー(33)の丁寧な演技も光る。

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