「ビューティ・ペア」で一世を風靡 マキ上田さん「フジ社屋の天球は“ビューティ資金”でつくられたと」

公開日: 更新日:

マキ上田さん(元女子プロレスラー「ビューティ・ペア」/63歳)

 故ジャッキー佐藤(享年41)とビューティ・ペアを結成し、空前の女子プロレスブームを牽引したマキ上田さん。19歳で引退後は女優業や飲食店を経営。48歳で結婚し、浅草で料理屋の女将になってもう15年。あまりの忙しさに「現役時代のことは覚えていない」という上田さんに当時の金銭事情を聞くと、驚きの真実が次々と……。

  ◇  ◇  ◇

 1975年に全日本女子プロレス(全女)に入門、同年にデビューし、翌76年にビューティ・ペアを結成。同年に発売されたシングル「かけめぐる青春」は80万枚を売り上げ、プロレスの1日の興行収益は1000万円を超えた。

睡眠時間は移動中の車だけ。地方巡業から東京に帰ってきてもテレビの仕事や取材があったので、家で寝た記憶がなかった。当時テレビ局でいつも一緒だったのはピンク・レディー。収録の合間にはミーちゃん、ケイちゃんと『最近どうしてんの?』なんて話してました。お互い若かったから目の下にクマもできなかった(笑)」

 試合中継はゴールデンタイムにレギュラー放映され、お茶の間のアイドルになったビューティ・ペアはザ・ドリフターズと、コントで共演したことも。

フジテレビがお台場に移ったあと、『フジの天球はビューティ資金でつくられた』と聞きました(苦笑)。会社に何十億円入ったんだか知りませんけど、私が芸能でもらっていたお金は月に10万円。レコード、アルバムの印税は今までいただいたことはありません。でも全女の社長が田園調布に家を建てたり、クルーザーや日本に数台しかない高級車を買ったり、土地やビルの不動産にも手を出したと聞くので、当時は相当だったんでしょうね。私たちは忙しすぎて、売れている実感がなかったけど、もっとお金のことを言っとけばよかったなって」

 アスリートとしての将来への不安と母の逝去が重なり、19歳で引退し、その後は女優に転身。

 30歳を過ぎたころ、地元・鳥取県でスナックのオーナーママに。

■ジャッキー佐藤との絆

「お店の10周年記念にジャッキーに声をかけたら、『行くよ』ってわざわざ神奈川から来てくれて、一緒に『かけめぐる青春』を歌いました。彼女は当時体操教室を開いていたので、そのおかげでずいぶんスリムになったなぁなんて思っていたら、すでに入退院を繰り返していたらしく。私と会った後にまた入院して、翌年にあの世へ逝きました。あれがジャッキーに会った最後。本当はしんどいのに義理堅く来てくれたジャッキーには感謝しかないですね」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった