著者のコラム一覧
片岡健ノンフィクションライター

1971年、広島市生まれ。早稲田大学商学部卒業後、ノンフィクションのライターに。新旧様々な事件を取材し、新事実や冤罪を発見している。著作に『平成監獄面会記』、同書が漫画家・塚原洋一氏によりコミカライズされた『マンガ「獄中面会物語」』(共に笠倉出版社)、『もう一つの重罪 桶川ストーカー殺人事件「実行犯」告白手記』(リミアンドテッド)など。最新刊は2026年4月発行の『実録 死刑囚26人の素顔』(宝島SUGOI文庫)。

ルシアンホールディングス事件「被害者の会」運営の社長が明かす大規模な詐欺的M&A事件の深層

公開日: 更新日:
同社の登記事項証明書。知数の会員買収のため「事業目的」が多い(提供写真)

「ルシアンホールディングス」という投資会社が2021年ごろから多数の中小企業相手に詐欺的M&Aを重ねた事件は、24年ごろから大きく報道されてきた。だが、今も同社は摘発されていない。「被害者の会」を運営する荒川公一氏(63)に事件の深層を聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 中小企業の経営者には、経営不振や後継者不在などの事情で会社の売却を考える人たちがいる。ルシアンの代表取締役H氏、取締役K1氏、同社の会計参与だった税理士法人の税理士K2氏の3人はそういう中小企業を買収し、会社の現金を奪ったうえ、経営と債務は引き継がずに放置する手口で荒稼ぎした疑いをもたれている。

 富山市を拠点にシリコーン製品メーカー「リンク大洋」を経営する荒川氏も後継者不在のため、23年ごろ、一時はルシアンに会社を売却する契約がまとまっていた。その際に3人のうち、H氏と会ったという。

「Hは、見た目は“普通のオヤジ”ですが、(頭の)キレは良かった。うちの会社を買う気があるのかと聞いたら、『私は買うために富山に来たんです。東京から無駄な時間を使いに来たのではありません』と答え、『シナジーを生かしましょう』などと言っていました」 

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