著者のコラム一覧
スージー鈴木音楽評論家

1966年、大阪府東大阪市生まれ。昭和歌謡から最新ヒット曲まで幅広いジャンルの楽曲を、社会的な視点からも読み解く。主な著者に「中森明菜の音楽1982-1991」「大人のブルーハーツ」「日本ポップス史 1966-2023」など。半自伝的小説「弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる」も話題に。日刊ゲンダイの好評連載をまとめた「沢田研二の音楽を聴く1980-1985」、最新刊「日本の新しい音楽1975~」は大好評。ラジオDJとしても活躍。

リバプールの悪ガキを可愛らしく仕立て上げたブライアン・エプスタインの功績

公開日: 更新日:

特別編「5人目のビートルズ~ブライアン・エプスタイン」①

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 特別編「5人目のビートルズ」、ジョージ・マーティンに続くのは初期~中期ビートルズのマネジャーだったブライアン・エプスタイン。

 本棚の奥の奥にあったレイ・コールマン『ビートルズをつくった男──ブライアン・エプスタイン』(新潮文庫)の裏表紙にはこう書かれている。

──彼の名はブライアン・エプスタイン。その名が示す通りユダヤ人であり、元俳優志望であり、またホモセクシュアルでもあった。その彼がいかにしてビートルズを作り上げたのか。

 彼については、このような背景が、必要以上にスキャンダラスに描かれている気がする。そこで、ここはひとつ冷静にビートルズの成功に寄与した彼ならではの功績を整理してみたい。

↓………ここから続き………

 まず1つは、ビートルズのルックスのマネジメントだ。先の本には、初期ビートルズのトレードマークとなった襟なしジャケットを、ブライアン自身が考案するシーンがある。リバプールの悪ガキを、あれほどまでに可愛らしく仕立て上げたことが、のちの人気爆発にどれほど寄与したことだろうか。

 音楽面では、自らが見いだした4人を、ジョージ・マーティンに紹介したこと。このあたりは先の本だけでなく、昨年の映画『ブライアン・エプスタイン 世界最高のバンドを育てた男』でも語られていた。

 そして、地味ながら大きいと思うのは、初期ビートルズのドラマーだったピート・ベストをクビにしたことだ(このシーンも映画の中にあった)。

 ジョージ・マーティンがピートのドラムスを嫌う。だが、本人に最後通告をしたのはブライアンだった。結果、リンゴ・スターが加入。さまざまな意味でバランスの取れた4人組となり、世界へと向かっていく。

 でもまぁ、最大最良最強の功績は、何といってもビートルズを見つけたことだろう。

 1961年、ビル・ハリーという男がリバプールで「マージー・ビート」という新聞を発行。レコードなどを売る店舗を経営していたブライアンがそれを仕入れる。そして……先の本から引用。

──エプスタインは「マージー・ビート」の内容にも売れ行きにも強い興味をそそられ、その中で頻繁に取り上げられているビートルズという連中は、どこへ行けば見られるのかとたずねた。ハリーは、彼らがキャヴァーンという地元の地下クラブにレギュラー出演していることを教えた。

 すべてはここから始まったのだ。 (この項つづく)

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【連載】スージー鈴木のゼロからぜんぶ聴くビートルズ

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