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吉川圭三映像プロデューサー

1957年、東京都生まれ。82年日本テレビ入局。「世界まる見え!テレビ特捜部」「恋のから騒ぎ」「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」などを手掛ける。現在、ドワンゴのエグゼクティブプロデューサー、早稲田大学表現工学科講師を務める。著書に「たけし、さんま、所の『すごい』仕事現場」(小学館)、「全力でアナウンサーしています。」(文藝春秋)がある。

マツコ・デラックスのような“ジェンダーを超えたアナウンサー”が居てもいいじゃないか

公開日: 更新日:

 女子アナ“美人志向”はフジテレビの「オレたちひょうきん族」が始まった1980年代初期からだと思う。その後、他局にも美人アナを選ぶ嗜好が伝播し、有名司会者の隣に美人女子アナが並ぶことが極端に多くなった。でも、本当に女子アナを見た目で選んでいいのだろうか?

 私は極端な話マツコ・デラックスのような“ジェンダーを超えたアナウンサー”が居てもいいと思うし、それによって大いにテレビは盛り上がると思うのだが。

 日本社会のある種の矛盾は“女子アナの現在”を見るとよくわかる。テレビ局の男性社員や幹部は美人・高学歴路線を選びそれが“視聴率に大きな影響を与える”と(私に言わせると)思い込んでしまった。ルッキズムは女性蔑視につながってゆくのだが……美人でスタイルのいい女子アナはメディアの格好のターゲットになる。彼女たちの結婚などの動静や密会写真は注目されるし、テレビ局を辞めたフリーランスの女子アナのグラビア写真集が爆発的に売れるようになる。かくて、日本の女子アナの選考基準は“見た目重視”へと固定化されてしまったのである。(つづく)

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