著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

「新・信長後記」は日テレ“ヤンキー&学園もの”のDNAが脈々と受け継がれている

公開日: 更新日:

満島の表情が狂気をはらんでいていい

 初回は武田信玄大活躍の巻。「2時間以内に武田信玄を倒す」という旗印が205本出され、1対205人の戦……。信玄はトイレの個室に籠城、相手を疲れさせるという戦略で、ほどよきところで屋上に逃げ、そこからムササビのように飛び降りるなどで見事勝利を収めた。屋上から飛び降りる時の満島の表情が狂気をはらんでいていい。前回の「ナンバMG5」の兄ちゃんもよかったが、満島はつくづくいい俳優になったと思う。満島ひかりの弟などとは言わせないという気概を感じる。

 信玄絶体絶命のピンチには信長が現れ、敵をやっつけるというところはさながら戦隊ヒーローのレッドという感じ。

■かつては「青春とはなんだ」「おれは男だ!」

 で、思ったのだが、日テレはこういうドラマの作り方がうまい。

 遡れば、同じ時間帯で2018年10月期に放送された「今日から俺は!!」もヒットしたし、それ以前には大ヒットした仲間由紀恵の「ごくせん」がある。仲間演じる主人公のヤンクミはやくざ一家の孫娘で人情と仁義に厚く、強くてカッコいい女性教師で小栗旬松本潤ら錚々たるメンバーが生徒役だった。

 日テレは夏木陽介「青春とはなんだ」、竜雷太「これが青春だ」、森田健作「おれは男だ!」、村野武範「飛び出せ!青春」、中村雅俊「われら青春!」「ゆうひが丘の総理大臣」など学園ドラマのパイオニアだ。そのDNAが脈々と受け継がれ、いわばお家芸。日曜夜はこういうドラマが正解では。

 ヒットを望む!

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然