著者のコラム一覧
児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

是枝監督もハマった?「私のおじさん」は中高年男性の心に突き刺さるヒューマンドラマ

公開日: 更新日:

 是枝裕和監督の映画「ベイビー・ブローカー」が、アカデミー賞の前哨戦といわれるテルライド映画祭に公式招待された。カンヌ国際映画祭ではソン・ガンホが最優秀男優賞に輝いたが、赤ん坊の母親役を演じたイ・ジウンも印象的だ。

 韓国の人気歌手IUで、“女優イ・ジウン”としても活躍。是枝監督はキャスティングした理由を彼女の主演ドラマ「マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~」を見て「単純にハマったから」と答えている。

 コロナ禍、女性週刊誌の韓国ドラマ特集でこのドラマを紹介した。韓流スターは登場しないが、“ヘル朝鮮(地獄のような朝鮮)”といわれる韓国社会をリアルに描きながらも人の優しさや情が感じられ、胸が熱くなるからだ。ネットフリックスやアマゾンプライムなどで配信されており、女性読者向けにオススメしたつもりが、中高年男性の心にも突き刺さったようだ。全16話を3日で見終えた人もいるほどで、むしろ男性のほうが共感しているように感じた。

 物語の中心となるのは“おじさん3兄弟”。3人とも高学歴だが、大手企業に勤めているのはドラマの主人公で次男のドンフンだけ。長男と三男は“高学歴のバカ息子”扱いだ。イ・ジウンはドンフンの会社で派遣社員として働くジアン役を熱演。暗い過去を背負い、救いようがないほど孤独で不幸な境遇にある。皮肉なことに、社会の底辺で生きる彼女がドンフンのことを「真面目な無期懲役囚みたい」といい、「ファイティン(がんばれ)」とエールを送るのだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった