事態は旧統一教会問題で大きく変わった それでも秋篠宮さまは安倍国葬に参列するのだろうか

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 岸田内閣が、安倍元首相の「国葬」を決めてから支持率が大幅に下落している。いうまでもなく、安倍元首相が“反日カルト集団”の「統一教会」とつながってることがわかったからだ。それだけではない。いまや自民党そのものが汚染されていて、その元凶となったのは岸信介↓安倍晋太郎↓安倍晋三と安倍・岸一族だったことも報じられているのだ。

 教団の母体は韓国にあり「反共」を掲げながら、その実、北朝鮮と深くつながっていて、霊感商法などで日本人から吸い上げた膨大な金を北朝鮮に献上していたことはよく知られているが、最近でも、10年前に死んだ創始者・文鮮明の命日に北朝鮮が弔電を送ったと発表しているほどだから、今も統一教会との関係が続いているのだろう。

 そんな危ない団体と、安倍一族がなぜ手を組んだのかは今後の解明を待つとして、今では自民党に「真っ白な人はいないでしょう」(議員秘書)というほど自民党議員は汚染されてしまった。それが明らかになればなるほど「国葬」に反対する人たちが増え、いまや75%の人が反対しているという数字もあるほどだ。

 戦後、国葬が行われたのは1967年の吉田茂元首相だけである。どういう経緯で行われたのか。前田修輔氏の「戦後日本の公葬-国葬の変容を中心として-」という論文を参考にたどってみたい。ちなみに、この論文はネットでも公開されている。

■貞明皇后は国葬にできなかった

 戦前は大正時代に制定された国葬令があり、皇族と国家の「偉勲者」が国葬にされたが、戦後は憲法によって政教分離が規定されて法的な根拠を失ってしまった。終戦後の1951年に貞明皇后(大正天皇の皇后)が亡くなった時は、国葬令が失効していて国葬にはできないが、国費で葬儀を行うことを決めた。昭和天皇は国葬にしたかったようだが、田島道治宮内庁長官に〈国葬がいかぬやうなれば已むを得ない〉(「昭和天皇拝謁記」)と述べている。新憲法下で国葬をするには法整備が必要なのは当然だが、結局サンフランシスコ平和条約で占領が終わってからも法律を定めることはなかった。国葬に値する「偉勲者」の線引きができなかったようだ。

 そして1967年、吉田元首相が亡くなる。法的根拠もないうえ、貞明皇后も国葬にできなかったのに、当時の佐藤栄作首相が国会に諮らず、閣議で国葬を決めてしまったのである。今回の岸田内閣の決定もこれを踏襲したのだろう。しかし、佐藤内閣が岸田内閣と違っていたのは、野党に意向を打診し、共産党を除いて、社会党、民社党、公明党の同意を得たことである。「これを先例にしない」という当時の社会党の申し入れも受けている。つまり、今回は特例で、次回は閣議ではなく国会で決議を求めるか、それまで法的根拠を定めなさいということだ。今回、岸田首相がそれも無視したのは、今の野党には当時の社会党のような力はないと足元を見たからだろう。

 ちなみに、文鮮明が来日し、統一教会の「原理運動」が社会問題になったのもこの年である。

 こうして10月31日、吉田元首相の「国葬」が日本武道館で行われ、皇太子ご夫妻(現在の上皇ご夫妻)が供花されている。戦後復興を進めた吉田氏の功績は国民も認めていたから皇太子ご夫妻に批判はなかったが、安倍元首相の場合は予測できない。果たして秋篠宮さまは、参列の要請があればお受けするのだろうか。 (つづく)


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