【ヒハツ】血流を促進し体温を上げる作用で冷え性に役立つ
古代インド原産のピパーツ(ヒハツ)は、サンスクリット語で「ピッパリー」と呼ばれ、アーユルベーダ医学では消化促進や強壮を目的に利用されてきました。紀元前5世紀にはヒポクラテスが薬草として言及しており、古代ローマでも黒こしょうより高価な香辛料として取引された歴史があります。日本では沖縄県八重山諸島で「島こしょう」「ピパーチ」と呼ばれ、八重山そばや炒め物の香り付けに利用されています。
そんなヒハツに含まれる辛み成分ピペリンには、血流を促進し体温を上げる作用があることがヒト試験で報告されています。日本で行われた小規模臨床研究では、ヒハツ粉末を約1グラム摂取することで皮膚表面温度が上昇し、毛細血管が拡張することを確認しています。この作用は、冷え性や末梢血流の低下が気になる人に役立つ可能性がありますね。
また、体内の酸化ストレスマーカーを低下させてくれる働きのあるウコン(ターメリック)にはクルクミンという成分が含まれるのですが、水に溶けにくく、単独では吸収率が低いのが欠点です。ところが、ピペリンと一緒に摂取すると、クルクミンの吸収率が数十倍に上がることがヒト臨床試験で確認されているのです。クルクミンは脂溶性なので、油脂を含む料理と一緒に取ると吸収がさらに高まりますよ! ターメリックを使った料理はカレー。まさに脂質と一緒に取れるので効率的ですね。