「300円ショップ」時代到来の背景 店舗数増加から見えてきた100円ショップ業態の苦境
300円ショップ「3COINS」の店舗数が増加している。1994年に1号店をオープンしてから、2013年には100店舗を超え、21年2月期には200店舗を突破し、現在は約360店舗を展開している。運営元のパルグループホールディングスはアパレル企業だが、25年2月期の売上高2078億円のうち雑貨事業の売り上げは4割近い797億円に上る。
アパレル業界関係者によると、「以前はかわいさを意識した明るい色の雑貨が多く、20代女性をターゲットにしていたが、成長が鈍化したため対象を30代以上に切り替えた。色みを抑えた生活雑貨を増やし、日常的に使える物をそろえた。コロナ禍では巣ごもり需要の恩恵を受けた」という。
近年では店舗面積を拡張し、1000円以上の高額商品も扱う「3COINS+plus」への展開を進めている。
ダイソーも300円ショップ市場に参入している。18年に開店した「スリーピー」は30代、40代の女性を対象とした店舗で、食器やヘアアクセサリー、雑貨などを販売している。商品の色は白や赤、ピンクなど暖色系が多い。更に300~1100円の商品が中心のStandard Products(スタンダードプロダクツ)は21年から出店しており、食器や収納用品、生活雑貨を取り扱う。商品は比較的寒色系のものが多く、年齢・性別を問わず生活に取り入れやすいデザインに特化しているという。