著者のコラム一覧
山田勝仁演劇ジャーナリスト

膨大なセリフをものともせず主人公の多面性に迫る亀田佳明 ゴーチ・ブラザーズの「ブレイキング・ザ・コード」

公開日: 更新日:

 タイトルは「解読」の意味だが、「CODE」は規範、道徳の意味もある。つまり、「法を犯す」というダブルミーニングでもあり、チューリングの苦悩を表しているが、それは自分の性的指向を解き放つという意味もあるのではないか。

 亀田は難解な数学用語を含む膨大なセリフをものともせず、とっぴな行動や言動からアスペルガー症候群ではなかったかという説もあるチューリングの多面性を見事に演じた。

 稲葉賀恵の演出はスピーディーでテンポもよく、登場人物の背景まで浮かび上がらせた。蛍光管の明滅によって時間軸を移動させるなどスタイリッシュな演出が光ったが、時空の往還がいまひとつ分かりにくかった。

 チューリングが愛したミラー役の水田航生、アランを追及するロス、一度は婚約を交わし、その性向に理解を示すパット・グリーン(岡本玲)、暗号解読に引き込むノックス(加藤敬二)、初恋の相手クリストファー(田中亨)、チューリングの過去を知るジョン・スミス(中村まこと)と実力派が脇を固めた。

 息子が同性愛者であることを知ったサラ役の保坂知寿の慈愛に満ちた悲壮な演技が舞台に深い余韻を残した。休憩15分を挟み2時間45分。シアタートラムで23日まで。

 作=ヒュー・ホワイトモア、翻訳=小田島創志、演出=稲葉賀恵、音楽=阿部海太郎。

 ★★★★

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    萩本欽一(11)ひとりぼっち寂しく貧乏飯を食べながら「先生も同級生もバカだな」と思うことにした

  2. 2

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 3

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  4. 4

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  5. 5

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  1. 6

    あのちゃん追い風だった女優業に暗雲の炎上!「嫌いな芸能人」発言で反撃される痛恨

  2. 7

    出口夏希の“男選び”がもたらす影響…伊藤健太郎との熱愛報道と旧ジャニファンが落ち込む意外

  3. 8

    戸田恵梨香「地獄に堕ちるわよ」のヒットで世界進出へ…クリント・イーストウッド目指し「生涯現役宣言」

  4. 9

    鈴木紗理奈以外にもいた…あのちゃんが過去に口にしていた“キライな芸能人”の実名

  5. 10

    伊藤健太郎とキンプリ永瀬廉で明暗クッキリ…「熱愛報道」出口夏希の足を引っ張りかねない“イメージ格差”

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元サッカー日本代表・大津祐樹さんはビジネスでも成功 年商300億円の高級腕時計会社の社長に

  2. 2

    戸田恵梨香「地獄に堕ちるわよ」のヒットで世界進出へ…クリント・イーストウッド目指し「生涯現役宣言」

  3. 3

    とうとう下落に転じた高市内閣支持率…若者と女性の支持が「急落」した裏側

  4. 4

    ドジャースに「サイン盗み疑惑」再燃! 大谷翔平がまたも報復死球のターゲットに

  5. 5

    巨人阿部監督逮捕・辞任で父親世代に衝撃…他人事ではないDV逮捕と、AIが“相談相手”で問われる父親の存在意義

  1. 6

    鈴木紗理奈以外にもいた…あのちゃんが過去に口にしていた“キライな芸能人”の実名

  2. 7

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  3. 8

    巨人・阿部監督は解任不可避…長女への暴行で現行犯逮捕、“パワハラ気質”が最悪の形で露呈

  4. 9

    萩本欽一(13)母のおかずはみんなが残した魚の骨「真っ白になるまでしゃぶっていた」

  5. 10

    出口夏希の初醜聞にファン失望…“不祥事男”伊藤健太郎との「お泊り愛」報道で巨額違約金の可能性も