市川猿之助が「新・陰陽師」でリベンジ! 娯楽大作に徹し場面ごとに沸かせていく

公開日: 更新日:

 夜の部は、当代一の役者2人が揃う『与話情浮名横櫛』と、尾上松緑・左近の『連獅子』。

『与話情浮名横櫛』は説明不要の名作で、与三郎に片岡仁左衛門、お富に坂東玉三郎と、いま望みうる最高の配役。昨年6月に上演予定だったが、仁左衛門が倒れて他の演目となり、ようやく実現した。この2人でこの演目を見るのも最後かもしれないとの思いが観客にもあり、客席は、一秒も見逃すまいとの緊張感に満ちる。その熱い視線を浴びて、2人は演じる。型なのだろうが、それと意識させない。役を生きている。

 仁左衛門・玉三郎での与三郎・お富は18年ぶり。前回は18代目勘三郎の襲名披露公演だった。こんなにも空白があったことにも驚くが、その「変わらなさ」にも驚く。タイムスリップしたみたいだ。それなのに、一番若かった勘三郎がいない。

 仁左衛門は初日から3日を終えたところで体調不良に。歌舞伎は主役が病気や怪我で休んでも、代役を立てて上演するのがならわしだが、今回は3日間、公演そのものを中止にした。これには賛否両論があるだろうが、「仁左衛門・玉三郎」のコンビに代わる者がいないのだから、仕方ない。他の役者でもいいから見たいという人は少ないのでは。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  4. 4

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  5. 5

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    11歳差、バイセクシュアルを公言…二階堂ふみがカズレーザーにベタ惚れした理由

  3. 8

    福山雅治イメージ大暴落…「路上泥酔女性お持ち帰り」発言とファンからの"賽銭おねだり”が時を経て批判集中

  4. 9

    福山雅治がフジ第三者委「有力番組出演者」と認めた衝撃…NHKの仕事にも波及不可避、ファンは早くも「もうダメかも…」

  5. 10

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    清原果耶は“格上げ女優”の本領発揮ならず…「初恋DOGs」で浮き彫りになったミスキャスト

  4. 9

    選管議論で総裁選前倒しでも「石破おろし」ならず? 自民党内に漂い始めた“厭戦ムード”の謎解き

  5. 10

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます