市川猿之助が「新・陰陽師」でリベンジ! 娯楽大作に徹し場面ごとに沸かせていく

公開日: 更新日:

 10年前に歌舞伎座が新開場したときに、最初の新作として上演されたのが『陰陽師』で、当時の人気花形、幸四郎・團十郎・松緑・菊之助・愛之助・勘九郎・七之助らが総出演した。

 華やかで熱量もあり、「これからの歌舞伎座は俺たちがつくる」という気迫に満ちた公演だった。だが、同世代の人気役者のなかで、猿之助は出演しなかった。

 その猿之助が、今月は『新・陰陽師』で脚本・演出を担い、もちろん自身も出演する。彼にとってのリベンジとも言える。

 陰陽師・安倍晴明を演じる中村隼人をはじめ、市川染五郎、坂東巳之助、中村児太郎、中村壱太郎、尾上右近、中村福之助、中村鷹之資ら、猿之助が見込む若手が勢揃い。いずれも猿之助がこれまで自分の責任公演に起用してきた若手だ。

 夢枕獏の小説が原作となっているが、オリジナル脚本と言っていい。さまざまな古典歌舞伎のシーンやセリフが引用されている。これまでの猿之助の新作にあった、テーマ性はなく、娯楽大作に徹しているのがいい。

 タイトルロールの隼人も含めて、若手それぞれに見せ場を作る群像劇で、ストーリーとしての面白さというより、場面ごとに沸かせていく作り。猿之助の出るシーンも少ないが、最後は唐突に宙乗りして、いわば、全部持っていく。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  2. 2

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  3. 3

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  4. 4

    福山雅治「フジ不適切会合」参加で掘り起こされた吉高由里子への“完全アウト”なセクハラ発言

  5. 5

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    11歳差、バイセクシュアルを公言…二階堂ふみがカズレーザーにベタ惚れした理由

  3. 8

    福山雅治イメージ大暴落…「路上泥酔女性お持ち帰り」発言とファンからの"賽銭おねだり”が時を経て批判集中

  4. 9

    福山雅治がフジ第三者委「有力番組出演者」と認めた衝撃…NHKの仕事にも波及不可避、ファンは早くも「もうダメかも…」

  5. 10

    5億円豪邸も…岡田准一は“マスオさん状態”になる可能性

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党・神谷宗幣代表の「質問主意書」がヤバすぎる! トンデモ陰謀論どっぷり7項目に政府も困惑?

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  4. 4

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  5. 5

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  1. 6

    フジテレビ「不適切会合」出席の福山雅治が連発した下ネタとそのルーツ…引退した中居正広氏とは“同根”

  2. 7

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  3. 8

    清原果耶は“格上げ女優”の本領発揮ならず…「初恋DOGs」で浮き彫りになったミスキャスト

  4. 9

    選管議論で総裁選前倒しでも「石破おろし」ならず? 自民党内に漂い始めた“厭戦ムード”の謎解き

  5. 10

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます