女優・有森也実さん 「一人芝居などで自分のやりたいものを表現し、代表作として残したい」

公開日: 更新日:

 1991年に大ヒットした連続ドラマ「東京ラブストーリー」(フジテレビ系)でブレークした有森也実さん(55)。近年は更年期障害に悩まされたことを明かし、同世代の共感を呼んだが、やりたいことはたくさんある……。

  ◇  ◇  ◇

 死ぬことへの恐怖感はあまりないんです。人は誰でもいつか死ぬ。だから、たとえ明日死んでも後悔しないように生きればいいだけだと思っています。事故も大病もなく幸せに生きてこられたおかげで、こう考えるのかもしれませんけどね。

 理想としては最後まで日々の延長として生きられれば、とても幸せなんじゃないかな。命の長さは自分では決められませんからね。

 日々の延長という意味では、できれば亡くなる直前まで演技をしていたい。それが女優としての自分の務めだと思うので、それを全うするのが夢ですね。

 映画やドラマなど映像の仕事ももちろん続けたいですが、映像は作品を作りあげるまでに時間がかかるし、大勢の人が関わって成り立つもの。舞台も規模はいろいろですが、ミニマムな単位でできる一人芝居や朗読劇などなら「こんなことを表現したい」という私の思いを反映しやすい。究極はそんなふうに一人芝居などで自分がやりたいものを表現し、代表作として残したい。

 何を表現したいかというと、人と人との触れ合い……かな。説明が難しいんですけど。例えば渡辺美佐子さんが28年間上演された「化粧 二幕」。息子を捨てた舞台女優とその息子の話ですが、悪いことって単純に悪とは言い切れない。悪いことをしたら悪人かというとそうではない。“悪”と決めるのは自分自身や世の中だったりします。だから、善悪の枠組みを取っ払った時、人はどんなことを感じるのかというようなことを表現したい。

 今は価値観がどんどん変わってきている、面白い時代。AIを使えばたいていのことができるようになってしまって、人間が感じること、考えることが少なくなっていますよね。だからこそかえって、芯が固まってくる気がしているんです。女優としてはそこに希望を感じています。

 でも、私は子供の頃から「何が何でも女優になりたい!」と切望していたわけじゃないんです。ファッションが好きで中学3年の時にティーン向けファッション誌に応募して、専属モデルになったのが芸能界に入るきっかけでした。「編集部をちょっと見てみたい」というくらいの軽い気持ちだったんです。

 でも、当時の事務所の社長の勧めでドラマ、映画と出演するように。そうして始まった演じるお仕事が今に至るまで続いています。不思議といえば、不思議。私の知らないところでの計らいがあるのかな、前世からの因縁なのかなと思ったりするんです。

 輪廻転生──生まれ変わりって私はあると思っています。自分の前世が植物だったのか、ネコだったのかわかりませんが(笑)、今の私に至るまではいくつものステージを経て今がある。今、女優をしているのも前世の影響かなと思っています。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    「汽車を待つ君の横で時計を気にした駅」は一体どこなのか?

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  4. 4

    国分太一は人権救済求め「窮状」を訴えるが…5億円自宅に土地、推定年収2億円超の“勝ち組セレブ”ぶりも明らかに

  5. 5

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  1. 6

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  2. 7

    森下千里氏が「環境大臣政務官」に“スピード出世”! 今井絵理子氏、生稲晃子氏ら先輩タレント議員を脅かす議員内序列と評判

  3. 8

    人権救済を申し立てた国分太一を横目に…元TOKIOリーダー城島茂が始めていた“通販ビジネス”

  4. 9

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  5. 10

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々